知覚過敏
「歯がしみる」そんな経験はありませんか?
- 歯ブラシをしていてしみる
- 水を飲んでしみる
- 息をしただけでしみる
今まで何ともなかったのに突然現れる知覚過敏の症状。 そこにはしみるだけではない、隠れた問題が潜んでいるかもしれません。
知覚過敏の原因とは
直接の原因は、何らかの原因によってエナメル質(セメント質)が傷つき削れ、象牙質が露出する(知覚過敏はエナメル質がもともと薄い、またはほとんどない歯の根元部分で起こる事がほとんどです)。
そして露出した象牙質が冷たい物や歯ブラシ、風などによって刺激を受ければ象牙細管を通じて歯髄神経から脳に伝わり、「ズキーーン!」といった歯がしみる症状が出るのです。
象牙細管って何?
象牙細管とは簡単に言うと歯にあいている穴です。
「しみている歯」の表面を電子顕微鏡写真でみると、直径1000分の1ミリ程の小さな穴が、1ミリ四方に2万個もあいていたのです!さらにこの穴、なんと歯の神経のところまでトンネル状につながっています。一体どうしてこんなものができたのでしょうか。
実は、この穴は歯に“元々ある”もの。歯の表面を覆うエナメル質と、歯の神経との間にある層=「象牙質」には、栄養を送るための管なのです。これが穴の正体。「象牙質」がなんらかの原因で表面に出ると、象牙細管が表面に現れてしまうのです。つまり、知覚過敏の原因は、「象牙質の露出」なのです。
なぜ象牙質が露出するのでしょうか。
歯周病が関係する場合
歯周病は、歯を支えている組織(歯茎や歯槽骨)などが破壊されてしまう病気
その病気が進行すると、歯茎の量が減り歯根部分が露出してきます。その歯根部分には硬いエナメル質がないので、容易に象牙質が露出しやすくなってしまい、知覚過敏の症状が出やすくなってしまうのです。
歯周病は放置しておくと歯がぐらぐらして抜け落ちてしまうことも、また全身の病気 糖尿病や、心筋梗塞などとの関係も明らかになっています。
くさび状欠損が関係する場合
くさび状欠損とは、歯と歯茎の境目のところに、くさび状に削れてくぼみができた所を指します。
ではなぜこのくさび状欠損ができるのでしょうか。
歯ぎしりや、食いしばりにより、歯に大きな力がかかると、歯の根元にその力のひずみが集中します。こうした力が繰り返しかかることによって、歯のエナメル質の結晶にごく小さなキズが発生します。そこを、ゴシゴシみがき過ぎると歯が削れてしまうのです。
これも気が付かないでいると、ある日突然強い痛みが出て歯医者に駆け込むと、歯が割れているというようなこともあります。
どちらが原因であっても、しみる時には自分で判断せず歯医者さんで一度見てもらったほうがいいかもしれません。
知覚過敏は、一度しみたらしみ続けるということは少なく、しみたり、気にならなくなったりということを繰り返す場合があります。
一時的に症状が治まっているからといって安心できるものではありません。
歯が何らかのストレスにさらされて発している悲鳴かもしれないのです。
- 正しい歯ブラシ
- 歯周病治療
- 噛み合わせの調整
- ナイトガード(夜寝る時に装着するマウスピース 歯ぎしりなどで歯にかかる強大な力をから歯を守ります)
- 象牙細管にお薬を塗ってしみにくくする治療
など、その原因にあった治療法があります。
少ししみているくらいだから大丈夫とあなどるなかれ。歯医者さんで詳しく診てもらうことをお勧めします。