最近、子どものむし歯は減ってきています。
でも、それで安心していませんか？

実は、むし歯が減った一方で「口腔機能（こうくうきのう）」の低下が問題視されているんです。

詳しく、歯科助手の武井菜月がお話しさせていただきます😊

「口腔機能の低下」とは？🗣️
簡単に言うと、「噛む」「飲み込む」「口を閉じる」などの力が弱くなっている状態のこと。
このままでは、将来的に食べる力や発音にも影響が出るかもしれません。
では、なぜこうした問題が増えているのでしょうか？

まず、以下の2人の子どもの歯並びを見てください。

A君：きれいな半円型の歯並び

B君：U字型で狭い歯並び、上顎が深い

A君のような歯並びは理想的です。
でも、B君のように歯並びが狭く、上顎が深いと、以下のような問題が起こる可能性があります。

1. かみ合わせの異常（過蓋咬合・叢生）

過蓋咬合（かがいこうごう）：上の歯が下の歯を覆いかぶさりすぎている状態。

乳歯の叢生（そうせい）：乳歯がぎゅうぎゅうに詰まり、永久歯の生えるスペースがなくなる。

かみ合わせが悪いと、しっかり噛めなかったり、発音が不明瞭になったりすることもあります。

2. 口がポカンと開く「お口ポカン」

口を閉じる力が弱い子が増えています。これは口呼吸の原因になり、風邪を引きやすくなったり、口の中が乾燥してむし歯や歯周病になりやすくなったりします。

なぜ子どもの口腔機能が低下しているのでしょうか？
なぜこのような問題が増えているのでしょう？

実は、現代の食生活が大きく関係しているのです。

1. やわらかい食べ物が増えた

昔に比べて、子どもが食べる食事はどんどんやわらかくなっています。例えば…

❌ やわらかいパン・ふわふわのハンバーグ・ジュースやゼリー
⬇️
✅ しっかり噛まないと食べられない食材（根菜・するめ・ナッツ）

やわらかいものばかり食べていると、顎が十分に発達せず、歯並びが狭くなったり、噛む力が弱くなったりします。

2. 流し込み食べの習慣

最近の子どもは、よく噛まずに食べ物を飲み込む傾向があります。特に、ジュースやスープなどを一緒に飲んで流し込む子が多いです。

こうすると、噛む回数が減り、唾液（だえき）の分泌も少なくなってしまいます。唾液には口の中を清潔に保つ働きがあるので、少なくなるとむし歯や口臭の原因にもなります。

将来への影響…大人になってから困ることも！

子どもの頃に口腔機能が十分に発達しないと、大人になってからも影響が出る可能性があります。

✅ 味覚異常：しっかり噛まないと味を感じる力が低下する
✅ 義歯（入れ歯）の維持が難しくなる：噛む力が弱いと、高齢になったときに義歯が安定しにくい
✅ 発音が悪くなる：口の筋肉が十分に発達しないと、滑舌が悪くなる

今からできる！子どもの口腔機能を守る方法

では、どうすれば子どもの口腔機能を守れるのでしょうか？
今日からできる簡単な習慣を紹介します！

1. 「しっかり噛む」習慣をつける

✅ 硬い食材（根菜、するめ、ナッツなど）を取り入れる
✅ 口の中の食べ物を30回以上噛んでから飲み込むように意識させる

2. 口を閉じる習慣をつける

✅ 鼻呼吸を意識させる（口を閉じた状態で息をする）
✅ 「お口ポカン」が癖になっている子には、ガムを噛ませて口周りの筋肉を鍛える

3. しっかり噛むための食事環境を整える

✅ テレビやスマホを見ながら食べない（集中して噛むため）
✅ スプーンやフォークではなく、箸を使う習慣をつける

まとめ🌸

むし歯が減っても油断せず、お口の機能を守りましょう！！！

むし歯が減ったことは喜ばしいことですが、「噛む」「飲み込む」「口を閉じる」などの口腔機能が低下しているという新たな問題が出てきています。その原因のひとつは、やわらかい食事や流し込み食べの習慣です。

しかし、ちょっとした工夫で改善できます！

✅ よく噛んで食べる
✅ 硬い食材を取り入れる
✅ 口を閉じる習慣をつける

毎日の食事で少し意識するだけで、子どもの口腔機能を守ることができます。
大人になってから困らないために、今からできることを始めてみましょう👦🏻👧🏻✨