歯の豆知識

う蝕予防は生涯必要?!

う蝕予防は何歳まで必要だと思いますか?

混合歯列の時期であること、歯の未成熟期であること、甘味期限が難しい時期であることなどの理由から、う蝕予防は長らく小児や若年層の問題であるとされてきました。

成人以降は、う蝕予防への関心は薄い様に見受けられます。

が、結論から言うと、

「う蝕予防は生涯必要!!!」なのです。

なぜ生涯必要なのか、土屋がお伝えしますね☝️
【実験方】
ニュージーランドである研究者により行われた長期のコホート研究。
同一被験者(955人:1972年生まれ)を5~32歳まで追跡。

永久歯う蝕のスコアを記録📝
スコアはDMFS(歯面)をベースに、前歯から犬歯まで(一歯4歯面)と臼歯(1歯5歯面)の合計128歯面でのう蝕が対象。
※Missingの場合は3Sとみなす。
32歳までの6回(5・9・15・18・26・32歳)のデーターについて混合奇跡モデル(集団の変化についていくつかの異なるタイプに分けそれぞれのタイプの割合や特徴を明らかにする方法)を用いて3つのタイプ(群)に分類。

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※予防の科学参照

【結果】
低罹患者群(384人)の割合は半数の40.2%で、そのスコアの変化はほぼ直線的に増加しましたが、その増加量は非常に少なく32歳の時点で平均10以下でした。

中罹患者群(427人)の割合も約半数の44.7%で、そのスコアの変化はほぼ直線的に増加しました。増加量はなだらかで32歳の時点で平均約20でした。

高罹患者群(144人)の割合は15.1%と少なくそのスコアの変化はS字曲線的に増加し増加量は非常に多く32歳の時点で平均約40程度でした。
またスコアが大きくなると大きいバラツキ(図の縦の矢印)となる傾向がありました。
なお32歳の時点でう蝕によってMissingとなった歯を有する被験者は、低罹患者群で5.9%、中罹患者群で28.4%、高罹患者群で53.8%いました。

これらの結果から、研究者達は次の様な考察を導きました!

①う蝕の発症について特段急増する年齢期は無い

②う蝕ハイリスク患者の割合は、約15%と見積もる事ができる

③歯科界では以前から「小児や若年者は、生涯でもっともう蝕になりやすいハイリスクの時期である」と信じられてきましたがそれは正しくない

④誰もが生涯にわたってう蝕罹患リスクにさらされている。したがって、予防は生涯にわたって必要である。

なるほど💡💡💡と、納得出来ましたか?

1972年の研究当時、フッ化物の利用状況について明確ではなく、現在の日本ではう蝕ハイリスクの患者の割合はフッ化物使用や口腔内衛生の考え方の普及によってこの数値より低いと推測されます👀

ですが、何歳になっても安心出来る時期は来ない事がデーター上明らかですよね👀

いつまでも大切な自分の歯を守っていく為にも、毎日の歯磨き等でしっかりう蝕予防していきましょう🦷🪥✨

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