皆さんは、フッ素塗布をしたからむし歯にならない!そう思っていませんか?
実はそれ間違っているかも…
今回は、むし歯とフッ化物の関係について受付の新井がお話しいたします🦷
まずむし歯は、歯を攻撃する因子(う蝕活動性)と、それを防御する因子(う感受性)のバランスによって生じます!
攻撃因子には、ミュータンス菌や砂糖によって作られる歯垢や酸が含まれます。
これらが歯を溶かし、むし歯の原因となります。
一方、防御因子には、フッ化物の応用やシーラント、歯の萌出後の成熟があります。たとえば、歯は生えてすぐはやわらかく、むし歯になりやすいですが、唾液中のカルシウムやリンが沈着して徐々に硬くなっていきます。こうした要素が歯を守ってくれるのです✨
このように、むし歯は、「攻撃力」と「防力」のバランスで決まります🔥
むし歯を戦争に例えるなら、歯垢が作る酸が敵の攻撃であり、フッ化物などが防衛システムです。
フッ化物を塗布することは、この防力を高める手段のひとつです。
しかし、防力だけでは不十分で、攻撃力が強すぎるとむし歯はできてしまいます。たとえば、砂糖を多く含むおやつを頻繁に食べたり、だらだらと長時間食べ続けたりすると、口内が常に酸性に傾き、むし歯のリスクが高まります😱
さらに、歯垢が残った状態でフッ化物を塗布しても、フッ化物が歯の表面に届かず、効果が十分に発揮されません。歯をきれいにしてから使うことで、フッ化物の効果がより高まるのです🪥
日本の子どもたちのむし歯が減少した背景には、間食や歯みがき習慣の定着に加えて、フッ化物の応用がタイミングよく進んだことが大きく関係していると考えられます👦🏻👧🏻
ただし、フッ化物にも副作用があります。高濃度では急性中毒や慢性中毒、歯のフッ素症(斑状菌)を引き起こす恐れがあります。しかし、現在日本で使用されている濃度であれば安全とされており、過言さえしなければ大きな問題はありません。
一部の保護者からは「フッ化物を塗っているのにむし歯ができた」という声も聞かれますが、これはフッ化物の効果を過信し、基本的なケアを怠ってしまった結果かもしれません。🧑🧑🧒
むし歯予防には総合的な取り組みが必要です!
子どもたちにわかりやすく説明するために、予防を点数で示す方法もあります。たとえば、むし歯にならないために必要な点数を70点とし、フッ化物塗布が10点分の効果だとします。A君が普段のケアで80点を取っていれば、フッ化物の有無にかかわらずむし歯になりません。一方、Bさんが40点なら、フッ化物で10点加点しても50点にしかならず、むし歯になります。Cさんが60点なら、フッ化物で70点になり、むし歯を防げるというわけです。
※世界最強の歯科保健指導(上巻)一診教室から食までー参照
最近では、幼稚園や学校でフッ化物洗口が行われることも増えています。しかし、うまくうがいができない子どもたちが飲み込んでしまうリスクを心配する声もあります…このような場合は、洗口液を歯みがきの代わりに使うことで、飲み込む量を最小限に抑えることができます。これは、特別支援学校などでも有効な方法です!
ただし、フッ化物には限界もあります。
むし歯予防には効果がありますが、歯周病の予防には直接的な効果はありません。歯周病も歯垢が原因であるため、日々の歯みがきは欠かせません🪥✨
また、食生活はむし歯や歯周病だけでなく、肥満とも深く関係しているため、バランスの良い食事や生活習慣の指導も並行して行うことが重要です☝️
🦷まとめ🦷
フッ化物は「万能薬」ではありません。
適切な使い方と、日常のケアや生活習慣の見直しがそろってこそ、むし歯や口腔の健康を守ることができるのです!